君の膵臓を食べたい。は本も読んでみたくなるおススメできるアニメ映画でした。
先日、テレビで「君の膵臓を食べたい」というアニメを放送すると宣伝していたいので、「そういえば、聞いたことのあるタイトルだな」くらいの感想で録画しておきました。
ちょうど時間があった時にこれを見たのですが、非常によかったです。何がよかったのか以下に解説しながら思い出していきたいと思います。
『久しぶりに切なくさせられた』
この記事を読んだ方にもぜひ見ていただきたいので、なるべくストーリーは紹介せずに解説していこうと思います。
ほんとに切なくなります。とはいっても切なくなるなるのは最後の方なのですが、うまくそこまで見ている方の気をひきつけながら進めてくれています。
これくらいは紹介しておかないと解説できませんので、あしからず。主人公は高校生男子、ヒロインは同じクラスの女子高生、ヒロインには持病があり、数年以内には死ぬ運命、ひょんなことから主人公が隠していた彼女の病気を知ってしまい物語がはじまります。
これだけ聞くとありがちな感じがしないこともありませんが、「〇〇の中心で愛を叫ぶ」とか。
この物語のすごいところはまさにそのあたりにあるようにも思います。使いつくされたテーマで読者や見ていいる人を引き込むのってかなり難易度が高いと思うのです。それをやってのけたというのが、この作品の優秀な点です。
では、どこがこれまでの作品とこの作品が一線を隔しているか考えてみます。
それは、物語の最初にヒロインが死ぬことが決まっている点です。
よくあるのが、あることがきっかけで仲良くなった男女のどちらかに不治の病が見つかり、うんぬんかんぬん・・・・
このパターンはやりつくされており、どうしても今更感が出てしまうのですが、今回は「不治の病」であることを知ることが物語の始まりです。主人公もヒロインも死ぬことを受け入れているところからのスタートってなかなかないですよね。
『男にとっては理想で夢想』
主人公とヒロインが少しずつ距離を縮めていくところはおきまりといえばおきまりかもしれませんが、主人公のキャラクター設定もよかったと思います。
他者に無関心で、他者に大きな期待を抱かない主人公を無理やりひっぱっていくヒロイン。この手の設定弱いんだよなー。
現実にはかわいい女の子が根暗な男を意識してぐいぐい来るなんてことはありえないのですが、男の妄想をうまいことには出さずに表現してくれています。
この作品のファンって男の方が多いのではないかと思ってみたりします。昔見たドラマで「ラブストーリー」という北川恵子原作の中山美穂と豊川悦司主演のドラマだったんですが、すっごいハマったドラマだったんですよね。それになんとくなく共通点をかんじました。
人は誰かに必要とされていると感じるときに生きている意味を見出すのだろうなと。もちろんそれを自分で見つけていくのが本当の道だと思うけれど、そのためのドアを開けてくれるのがほかのだれかであればそれはホントに感謝でしかないのだろうと思います。
そこのところが死という誰にでも起きるけれど、普段は誰も気にしない出来事を身近に置くことでより大きく意識させられる作品でした。
しっかし、妄想男子の夢物語であることを認識しておかないとヤバいですね。学生時代に見なくて良かった。こんなことが自分にも起こるかもしれないと思っていたら、まともな恋愛できそうにありませんものね。
実写映画や小説もみたくなるいい作品でした。